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この記事の内容
断熱性能を高めれば少しの冷暖房コストでも年中過ごすことが可能
昔は、高気密高断熱という言葉はほとんど聞いたこともなかったし、夏は暑いし、冬は寒いというのが日本の家では当然のことだった。
しかし、暖房や冷房に関わるエネルギーコストの上昇や、気候の温暖化など、冷暖房にお金がかからない、エネルギーコストのかからない住宅に興味が近年集まっている。
実際、日本の住宅の断熱性能は、未だに世界の性能からは遅れていることも指摘されることも多い。
家の断熱性能を高め、冷暖房コストのかからない住宅を作ることは、エネルギーコストを抑えることができるだけではなく、住居の快適性につながり、そこに住む家族の健康さえも高めることができるだろう。
そこで、冷暖房コストのかからない家を建てるためにはどうしたらよいか?ここではポイントを考えてみよう。
基本的の対策 断熱材(または遮熱材)と窓
まずは、基本的な対策について考えてみよう。冷暖房コストのかからない家を作るための基本的な対策としては、断熱材(または遮熱材)と窓にこだわることが重要だろう。
壁や屋根の断熱材に高性能な断熱材、例えば高性能なグラスウールや高性能な遮熱シートなどを使用することが必要だ。
また、断熱材を使用する場合であれば、断熱材の厚み自体を厚くすることも考えたほうがよいだろう。
次に、断熱性能の高い窓ガラスや窓サッシを使用することも重要だ。
冬の暖房の熱のほとんどは窓ガラスとサッシから逃げていくし、夏の熱気のほとんどは窓ガラスとサッシを通じて侵入してくるからだ。
窓ガラスには複層ガラスを使用する
そういったことから、窓ガラスは最低限昔からある単板ガラスではなく、複層ガラスにすることは最低限のことだ。
例えば、断熱性能がとても高い複層ガラスの間にアルゴンガスなどが封入されたLow-E複層ガラスを使用することで冬の室内の熱が逃げるのを30%程度に抑えることができる。
代表的な窓商品としてYKK APのAPW330などがあるので参考にするとよいだろう。
夏の対策
夏の対策1 熱を家に入れない
次は夏の対策について考えてみよう。
夏の対策として重要なことは、熱を家に入れないということだ。
断熱性能を高めれば高めるほど、一度熱を入れてしまうと逃すことも難しくなってしまう。
夏にダウンジャケットを着て外を歩くことを想像してみるとよいだろう。
そんなことをすれば、外からの熱と体温とで大変なことになってしまう。断熱をしっかりすればすべてが解決するわけではなく、こういった問題も発生することも知っておくべきだ。
ブラインドやルーバー等で太陽の熱を遮る
そういったことから、夏の日光は、特に窓から熱を入れさせないようにすることが重要だ。
対策としては、お金がかかるもので、外付けブラインドやブラインドシャッター、可動ルーバー雨戸の設置があるだろう。
夏の一番暑い時間帯に窓から太陽の光を制限できれば、多くの熱が家の中に入るのを防ぐことができるだろう。
上記のような対策は、設置にお金がかかるものの、上手に使用して電気代を節約することができればその分のお金をいくらかペイすることも可能だろう。
その他、お金のかからない方法としてもヘチマなどを利用した緑のカーテン、すだれなどを利用することもできる。
これらの方法はお金がかからないものの手間がかかるなどの問題があるだろう。こういった対策を上手に取り入れながら、熱を特に窓から侵入させないことが重要だろう。
夏の対策2 入れた高い熱は家から逃がす
夏の対策の2つめは、家の中に入れてしまった熱を上手に家から逃すことだろう。
先に書いたように、断熱性能に優れた家ほど家の中に入った熱を外に出すのも不得意となる。
そういったことから、上手に熱気を逃がさないとそれらが家の中にこもってしまうだろう。
そういった場合の対策としての例としては、家の北側の地面の近い位置に冷気を取り込む地窓と家の南側の屋根に近い位置に熱気を逃がす高窓を作ることなどがあるだろう。
特に気温が下がる夜に上手に熱気を逃がせるようにするために窓の配置を工夫しておくとよいだろう。
冬の対策
冬の対策1 太陽の熱を家に取り込む
次に冬の対策についても考えてみよう。
基本的には冬の対策は、夏の対策の反対だ。
夏は、外付けのブラインドなどで日光を遮ったが、冬は日光をできるだけ室内に取り込み熱を室内に取り込むことが重要だ。
いかに日光を室内に取り込むかが重要になってくるだろう。しかし、夏に比べると比較的簡単なことで、夏の対策の逆を行うだけだ。
例えば、ブラインドを開けたり、すだれなどを取り除いたりすることだ。
冬の対策2 取り込んだ熱を家から逃がさない
続いて重要な冬の対策は、家の中の作った熱を外に逃がさないことだ。
そのためには、24時間の換気設備を熱交換器付きのものにするとよいだろう。
例えば、具体的な設備としては、日本製としてはパナソニック社製のものが有名だが、それらよりも高性能なドイツ製(日本スティーベル社)のLWZシリーズもとても有名で検討の価値が高い。
この換気設備については、冬だけではなく夏の冷気を逃がさないようにするための対策としても有効だ。
その他、天井にシーリングファンを設置し部屋の上下の空気をかくはんし、温度を均一化することも有効だろう。