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この記事の内容
- 1 失敗例からマンション選び・土地選び・不動産選びのポイントを考える
- 2 失敗例1 大規模なマンモス分譲マンション(分譲団地・分譲住宅)を購入したが、年数が経つほど資産価値が下落し、30年を経過した後ぐらいから資産価値が特に大きく下がってしまった
- 3 失敗例2 少々駅や都心から離れていても問題ないと思って買った土地や不動産が年数の経過とともに大幅に値下がりしてしまった
- 4 失敗例3 購入するときに手頃な値段など「買いやすい」物件かどうかを重視して不動産を購入してしまい、購入後年数の経過とともに大幅に値下がりしてしまった
- 5 失敗例4 昔ながらの古屋や駐車場などの開発されていない土地が近くに隣接されているマンションを購入したところ、入居後に隣の土地に大きなマンションが建つことになった 日当たり等の条件が変化し、資産価値も大きく下がることになってしまった
- 6 失敗例5 値段の安さにひかれ定期借地権のマンションや土地を購入したところ年々資産価値が値下がりし、買い手を見つけることも困難になってしまった
- 7 失敗例6 不動産を購入して新しい土地に移り住んだが、そのエリアの教育水準がそれほど高くないことを後で知ることとなってしまった
- 8 不動産を選ぶことはこれからの自分と家族の人生を選ぶことだ
失敗例からマンション選び・土地選び・不動産選びのポイントを考える
マンション選び・住宅選び・土地選びなど不動産選びは、絶対に失敗のできない一生で最も大きなイベントの1つだ。
不動産選びが成功するか、または、失敗するかでその人の人生も決まってしまうと言ってもあながち大げさではないだろう。
ここ日本においては、昔までは不動産選びでも損をしないようないい時代だった。
なぜなら、特に多くを気にしなくとても、成長期であれば不動産価格は上昇したため、失敗することがほとんどなかったからだ。
しかし、今ではそれも大きく異なるものとなってしまっている。
日本の成長期は、とうの昔に終わってしまったし、少子高齢化で不動産をこれから購入するだろう若年層は減少しているのに、不動産の供給は賃貸・分譲ともあまり減少していない。
加えて、減少している若年層の資産や購買力自体も低下しているので、不動産の購入自体もそれらの人達にとって難しくなっている。
日本のこれからの不動産市場は、賃貸・分譲など全てにおいて、基本的に供給過剰が続きそうに思える。
街の中にも空き家がどんどん増え、需給のバランスが崩れる(供給過剰となる)ことで、不動産価格はじわじわと下落を続ける可能性のほうが、その反対の上昇する可能性より高いはずだ。
しかし、そのような不動産価格が下落を続けるような状況であっても、色々な事情により、または色々な考えにより、マンションや住宅、土地などの不動産を購入する人は多いだろう。
今回はそのような人が不動産選びで大きく失敗しないために事前に知っておきたいポイントにてついて、身近な失敗例などを出しながら考えてみようと思う。
失敗例1 大規模なマンモス分譲マンション(分譲団地・分譲住宅)を購入したが、年数が経つほど資産価値が下落し、30年を経過した後ぐらいから資産価値が特に大きく下がってしまった
マンモスマンション・大規模な分譲地は、購入時憧れの的になりやすいが…
高層階が連なるマンモスマンションやマンモス団地、大規模分譲地は、その時代・エリアの象徴とも言えるような建築物・不動産になることも多い(良い意味はもちろんのこと、逆に悪い意味でも)。
実際にそのような分譲マンションや分譲団地、分譲住宅などは、規模が大きいだけに相当に考えられて作り込まれており、その時代の最先端の技術や思想が建築や設備に盛り込まれていることも多い。
それが故にとても魅力的なものとして消費者には映るし、そのような土地や不動産は多くの人の憧れの的にもなるだろう。
大規模な分譲マンション(分譲団地・分譲住宅)の問題点
しかし、マンモスマンションと呼ばれるような大規模なマンションや大規模な分譲団地・分譲住宅等は、資産価値が将来大幅に下がってしまうという可能性も持っている。
というのも、大規模なマンションや大規模な分譲団地・分譲住宅等というのは、何もない広大な土地などの上に上物を建て、同じ世代や年収、家族構成など比較的属性の近い人が集まって街を作ることが多い。
ほとんどの住民は、他の不動産への住み替えも簡単には行わないだろうから、住宅ローンを払い終える30年から40年を経過したときには、まわりには自分たちと同じ高齢の世帯が目立つようになり、そのエリア内で急速に高齢化が進むことだろう。
ニュータウンと呼ばれるような大規模開発地は、入居者の年齢や資産などの属性が同じような人に偏りやすいだけに、数十年単位で年数が経過した後は、急速にその街も高齢化やゴーストタウン化が進みやすい。
ある一定の年数(数十年など)経過時点では、管理組合や自治会も機能を維持するのさえ難しくなり、マンションの管理に支障が出始める可能性も大いにある。
高額の管理費を徴収するようなマンションなどは、住人の収入状況の変化により管理費徴収が滞るリスクも抱えているだろう。
特に、少し前まで流行したタワーマンションではこの問題も大いにあるのではないだろうか。
同じ世代・同じ属性の人が固まって住む街の大きなリスク
繰り返しになってしまうが、同じ世代・同じ属性の人が固まって住む街には大きなリスクがあることを認識しておく必要があるだろう。
例えば、わかりやすい例が「多摩ニュータウン」だろう。
同じ世代や同じ属性の人が同じように年を重ねて街全体が高齢化してしまっていて、それが現在の問題の原因の1つとなっている。
そのような急激な住人の高齢化を迎える街は、不動産の管理が高齢化で困難になっているだけではなく、あらゆる街の機能や、街が持つ文化的な面にまで機能不全で滞っていく。
住人の出入りも少ないため、街自体の若返りも難しくなる。
本来、良い街には、色々な世代、属性の住人が住んでいるものだ。
住人の一定割合が常に出入りしていたり、そこに建つ不動産も一定割合が常に新しくなっているなど、そのような街にはしっかりとした新陳代謝がある。
そのような新陳代謝が昔からずっと継続する中で、歴史や文化も新しく作られたり守られたりしている。
相応の歴史や文化のある街というのはそれだけでとても良いこと、つまりは良い街なのだ。
しかし、ニュータウンと呼ばれるような街にはそれがない。
見かけの良いマンションはすぐに建てられても、歴史や文化を持つ良い街というのは何もないところに一長一短には作り上げることはできないのだ。
これには、人間1人の寿命をはるかに超える、本当に想像もできないぐらい長い期間が必要でもある。
世帯数を極大化したマンモスマンションは土地の所有権割合が低層マンションと比べると低く、値下がりが一気に進むリスクも
また、高層のマンモスマンションと呼ばれるような大規模マンションは資産価値的にも問題を抱えている。
土地に対して個数の多いのマンモスマンションほど、低層・小戸数仕様のマンションと比べると土地の所有権の持ち分はどうしても少なくなってしまう。
不動産価格における土地の持ち分の割合が低く、価値に占める建物部分の割合が大きい場合、建物の経年劣化に合わせた値下がりは避けられないところがある。
基本土地に経年劣化というのはないので、逆に土地部分の割合が多ければ、その不動産の値下がりをある程度抑えることができるが、この場合土地の割合が少ないので値下がりは抑えられないだろう。
土地選び・不動産選びのポイント1 大規模な分譲マンション・分譲団地・分譲住宅は避けるべき
大規模な分譲マンション・分譲団地・分譲住宅はできることなら避けるべきだろう。
失敗例2 少々駅や都心から離れていても問題ないと思って買った土地や不動産が年数の経過とともに大幅に値下がりしてしまった
不動産の購入にあたってますます重要になる都心からの距離や駅からの距離
不動産を購入するにあたっては、都心からの距離や駅からの距離はこれからますます重要になっていくだろう。
これから、不動産購入を検討している人は、駅や都心から遠い郊外の物件は避けるほうが無難だ。
というのも、これからは人口減少や物件余りなどを原因とした需給関係の悪化により、地方はもちろん東京都心であっても不動産価格の下落が続く可能性があるからだ。
現在のところ、日本の人口における需要以上に不動産物件が供給され続けられていて、供給数が過剰なのだ。
これからも不動産ディベロッパーなどは自身の経済活動を制限させることは難しく、供給は続くだろうから、供給過剰は簡単には解消しないだろう。
そういったことから、駅近や都心に新しい物件が開発されるたびに、それらよりも距離にある郊外の物件は価格下落が大きく進んでいく。
目安としては都心の物件の場合、都心から電車で30分以内ぐらい、駅からは5分以内が目安だろう。
不動産は時間を味方につけてでもじっくりと探す
もちろんこういった物件を探すことは、マンションであっても土地であっても、または新築であっても中古であってもそう簡単ではないかもしれないが、時間を味方につけてでもじっくりと探す価値があるだろう。
一番いけないのは、時間・お金がないからと安易に買えるような、都心からも駅からも遠いマンションや土地を買ってしまうことだ。
安易に手に入る不動産ほど、今後は値下がりが大きく進むはずだ。
土地選び・不動産選びのポイント2 駅や都心から遠い郊外の物件は避ける
駅や都心から距離はこれからも重要な不動産の購入判断基準だろう。
失敗例3 購入するときに手頃な値段など「買いやすい」物件かどうかを重視して不動産を購入してしまい、購入後年数の経過とともに大幅に値下がりしてしまった
「買いやすい」物件は、値下がりしやすい物件?
マンションや土地を購入しようとしている多くの人にとって、その不動産が手頃か?などの「買いやすい」物件かどうかということを重視している人も多いだろう。
しかし、これには注意も必要だ。
なぜなら「買いやすい」物件は、将来の資産価値も期待できないからだ。
将来の資産価値が期待できるようなマンションや土地、不動産などの物件は、なかなか手に入らない「買いにくい」物件であるのが普通であるからだ。
本当に良い物件は、売りが出た時点で、その物件の取扱会社とコネがある顧客にすぐに販売されてしまうことも多く、インターネットなどで広く公表される前に売れてしまうという場合も多い。
逆に言うとインターネットに出てくるような不動産は、そこで売れなかったような物件だ。
地元の不動産会社や大手の力のある不動産会社とコネを作っておき、自分の要望に合うエリアや広さ、価格、状態など詳細を伝えておき、関係を密にして、数年程度はじっくりを出物を待つ姿勢も必要となってくるかもしれない。
それでも「買いやすい」不動産を購入するには?
手頃な値段などの「買いやすい」物件がどうしても欲しい場合はどのようにしたら良いのだろうか?
マンションなどを探しているような場合は、新築物件ではなく中古物件を探すことだ。
その場合も、都心からの距離、駅からの距離を重視し、現状の管理状況や新築分譲時からの値段の下落率などの情報を確認していくと良いだろう。
買いやすいとはいえ、しっかりと欲しい物件・条件(駅や都心からの近さ・管理状況・住民の世代構成など)に妥協せず、不動産を購入するには、相応の手間をかけて物件を探すことは重要だろう。
土地選び・不動産選びのポイント3 手頃な値段など「買いやすい」不動産は避ける
将来の資産価値も期待できるような本当に良い不動産は、本来「買いにくい」ものだ。
失敗例4 昔ながらの古屋や駐車場などの開発されていない土地が近くに隣接されているマンションを購入したところ、入居後に隣の土地に大きなマンションが建つことになった
日当たり等の条件が変化し、資産価値も大きく下がることになってしまった
未開発の土地が隣接するリスク
マンションが新築されるようなエリアでよくあるのが、このような隣に未開発の土地があるような場合だろう。
隣が一般的な民家ならまだよいものの、誰も住んでいない古民家や駐車場などの場合で、その土地がマンションが建てられるような広さがあるような場合は注意が必要だろう。
後からマンションが建ってしまい、日照や眺望に悪影響が出る可能性が大だろうし、その影響により資産価値が大きく下がってしまう可能性もあるからだ。
マンションや土地などの不動産を購入する場合は、最低限隣り合う土地の今後の開発の可能性については考慮しておくべきだろう。
できる限りは、一番悪い状況になった場合でも損をしないことを考えておくのがよいだろう
土地選び・不動産選びのポイント4 購入を検討しているマンションや土地などの不動産の隣が広い古民家や駐車場・空き地など立ったりする場合は、隣に高層の物件が建つことも想定しておく
マンションや土地などを購入する際に、隣の駐車場や空き地、民家などをチェックする。
失敗例5 値段の安さにひかれ定期借地権のマンションや土地を購入したところ年々資産価値が値下がりし、買い手を見つけることも困難になってしまった
安さだけではすぐに飛びつかないほうがよい定期借地権の不動産
首都圏など土地の価格が高いエリアにおいて、不動産の広告などを眺めていると、時々相場よりも2割から3割以上割安な激安に思えるようなマンションや建売住宅などを見かけることがあるだろう。
それらは、よくよく見ると借地権だったりするものだ。
また、借地権でも最近よくあるのは定期借地権の物件だ。
定期借地権は、一般の借地権と異なり契約更新をしないことも許されている「定期」の借地権である。
そのため、契約期間が満了する頃には土地を更地にして貸し主に返還しなければならない。
また、当たり前だが契約期間中は地代も支払わなければならない。
このような定期借地権は、借りる側にとっては通常の借地権と比べても条件が悪く、それが価格の安さにつながっているところがある。
また、大きな問題として定期借地権の契約の期間が進むほど、資産価値の下落が急激に進むことや、契約期間が短くなればなるほど再度転売することも困難になることがある。
確かに、定期借地権の不動産は、同エリア・同条件の不動産よりも2割から3割以上は安いものの、諸条件を考えると本当に割安なのかどうか、もしかすると割高なのか?そういったこともわからなくなってしまう。
土地選び・不動産選びのポイント5 安いという理由だけで定期借地権の物件を購入しない
安い不動産にはそれなりの理由があることを知っておく必要があるだろう。
失敗例6 不動産を購入して新しい土地に移り住んだが、そのエリアの教育水準がそれほど高くないことを後で知ることとなってしまった
子どもの将来のためにも教育レベルの高いエリアに住みたい
子どものためにも良い学校などがある教育レベルの高いエリアに住みたいと多くの親は思うだろう。
しかし、不動産を購入するときは、色々忙しく、または短期間のため、周辺の教育レベルについてまで調べないことも多い。
その土地に住んでみてからその土地の教育レベルをやっと知るだって少なくない。
どうすれば、その不動産を購入しようとしている土地の教育レベルを測ることができるのだろうか?
大手の進学塾がそのエリアに複数あるかどうか?
その土地の教育レベルを測る1つの目安となるのが大手の進学塾の有無や数だ。
難関校へ多数合格者を輩出しているような大手進学塾がそばに多数あるような場所は、そのエリアに住む人達が教育熱心であることを意味する。
そういったエリアでは教育レベルが全体的に高い可能性が高い。
子どもと一緒に家族で住む不動産を決める際には、その土地にある進学塾に注目してみるとよいだろう。
土地選び・不動産選びのポイント6 教育レベルの高いエリアの不動産を探したい場合は近くにある大手進学塾を確認しておく
住む場所によって子どもの教育レベルは大きく異なるため、後で後悔しないように大手進学塾の有無を確認しておくとよい。
不動産を選ぶことはこれからの自分と家族の人生を選ぶことだ
自分や家族が住むための不動産を選ぶことは、考えているとおり、または考えている以上に自分や家族の人生を左右することになるだろう。
マンションにするか?戸建てにするか?、戸建てでも分譲住宅にするか?注文住宅にするか?、都心にするか?郊外にするか?、新築にするか?中古にするか?など不動産を選ぶときには、多くの選択肢があるが、その1つ1つを選ぶごとに、選ぶ人の人生を変えていく。
お金、時間、子育て、仕事など不動産の選択はそれらに密接に関わっているため、不動産を選ぶことは、これからの自分と家族の人生を選ぶことと言っても過言ではない。
上で挙げた失敗例やポイントは、その不動産を選ぶ際のポイントの一部にしか過ぎないが、これらを意識するだけでも、よりよい物件を見つけるための一助となるだろう。