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この記事の内容
介護事業者向け賃貸併用住宅という選択肢
これからマイホーム建築していく上で賃貸併用住宅を考える人もいるだろう。
しかし、賃貸住宅の将来を考える上では頭の痛くなるような問題も多い。
少子高齢化が進む中で、賃貸住宅は供給過剰になる可能性も高いし、年々不動産も老朽化していくため、賃料の引き下げということも考えないといけなくなるだろう。
これからアパートやマンションを建築しても元が取れない可能性があるということだ。
そんな中でも最近注目を集めているのが介護事業者向けの賃貸併用住宅(介護物件賃貸・介護賃貸)だ。
例えば、2階建ての自宅を建設し、1階部分をデイサービスの事業者などに貸し出せる介護事業者向けの賃貸併用住宅だ。
増える介護デイサービスの利用者と事業者、政策的な後押しも
高齢化の影響で老人ホームに入所する人も増えているが、同時に老人ホームに入所はしないものの日帰りで介護施設を利用すると言う介護デイサービスの利用者も増えている。
国の政策的には、今までは老人ホーム等の充実に力を入れてきたが、国の財政を圧迫してきたため、それよりもコストも安いデイサービスや在宅介護に力を入れ始めている。
デイサービスの方が老人ホームよりも財政的なコストがかからないため、将来的にもそちらの方に高い可能性でシフトしていくだろう。
そのように考えると、若い人向けの賃貸住宅よりも、高齢者デイサービス介護事業者向け賃貸の方が将来的にも有望なように思える。
また、通常事業者や入居者との契約期間も介護事業者向け賃貸の方が長くなることも収益の安定性から考えるとメリットだ。
介護事業者向けの賃貸併用住宅を建てるにあたって重要なこと
介護事業者向けの賃貸併用住宅での1番重要なことは立地だ。
首都圏などの都市部でないとビジネスとしてうまくいかない可能性が高い。
地方都市では土地も安く、土地の購入のハードルも低いため、介護事業者自身で土地を購入して介護施設を建設することも可能だからだ。
なお、駐車場等も含めると土地の広さも35坪以上がだいたい必要となるだろう。
また、そのエリアがある程度歴史が古く、若者世代よりも高齢者が多い地域であることも重要なポイントだ。
逆に、普通の賃貸住宅と違って、駅などにそれほど近くなくてもいいと言う点もある。介護デイサービスの場合、利用者は事業者の車で送り迎えされるため、駅からの距離はあまり関係ないからだ。
その他のポイントとしても、介護事業者が周辺地域に少なく、物件自体も介護事業者から見て魅力的な物件となるような工夫や勉強も必要であるだろう。
想定外な政策変更リスクも考えておくべき
その他にも考えておかないといけないリスクの1つとしては、想定外な政策変更リスク、財政悪化リスクというのがある。
介護事業者の収入のほとんどは国の介護保険によるものだ。
現在では、介護にかかる費用のほとんどを介護保険で賄っているが、国がその負担を行使できなくなった場合は、介護事業者が倒産するリスクというのがある。
国の介護報酬に関わる制度も、これから徐々に厳しくなっていくことは確実であろうから、楽観することは難しいのかもしれない。
難しい入居者の選定や不動産会社との付き合いなど面倒な部分も覚悟する必要がある
現在のところは、入居事業者のニーズというのはそれなりにあるが、小規模なデイサービス事業者の事業のレベルはまちまちのため、優良な入居者の選定はそれなりに難しい。
そのようなことが面倒であれば、介護事業者向け賃貸併用住宅を専門に扱う会社というのもあるのでそのような会社にマージン(費用)を支払って、全てやってもらうことも1つであろう。
しかし、その分、収益率というのは悪化することとなる。
それではあまり意味がないと思うので、自身でしっかりと勉強してそれらの会社に頼ることなく、収益がでるというぐらいにしないとうまくやっていくことはできないだろう。
普通の賃貸併用住宅を建てるよりも成功の可能性は高いものの…
収益について考えると、首都圏等の都市部の場合は、普通の賃貸併用住宅を建てるよりも成功の可能性が高いだろう。
しかし、高い収益を出していくためには、介護事業者の求めるニーズにあった物件を建てるなどそれなりの工夫が必要だ。
業者任せにしておくと、最初は大丈夫かもしれないが、10年先や20年先などはどうなるかは分からない。
それなりにオーナーも勉強しないといけないということは確かだ。
そもそも都心に土地を保有していないと現実性は低いスキーム?
そもそも土地を保有していない人の場合、土地の取得費と建築費の両方が必要で、頭金なども少額の場合、借入額は相当大きなものとなってしまう。
大きな借り入れは将来的な金利変動の影響ももろに受けるため、非常にリスクが高いと言えるだろう。
そのような意味で、そもそも都心に土地を保有していないと現実性は低い方法なのかもしれない。
しかし、高額な普通の住宅を100%借金をして買うよりかはいくらかマシなのかもしれない。