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家族の幸せ・一生のかかったマイホームの間取り 悪い間取りで失敗しないために
家を建てたことのある人にとって、住宅設備の失敗というのは強く感じることがあるが、間取りの失敗というのは強く感じることが少ないだろう。
しかし、住宅の間取りの失敗は長期間にわたってじわじわと影響を及ぼすもので、家族の幸せにも影響を及ぼしてしまうこともある。
例えば、子どもが子ども部屋に向かうときにはリビングなどの家族みんながいる場所を経由した方がよいとよくいわれるが、それが考慮されず、玄関から直接子ども部屋に行ける通路を設けてしまったような場合、子どもの行動に親の目が届かず、親子関係に問題が生ずる場合だってあるだろう。
例えば、住宅設備であれば家電製品と同様マイホームの建築後でも交換が可能なものは多いが、家の間取りは一度建築してしまうと後々変更することは不可能に近い。本当に間取りの変更を行いたいのであれば、ばく大な費用を投じてリフォームでも行わないといけなくなってしまう。
そのような、家を建てるにあたってはとても重要な間取りであるが、暮らしやすくよい間取り、加えておしゃれな間取りとはどのようなものだろうか?ここで少し考えてみよう。
悪い間取りとは?
まず、悪い間取りから考えてみよう。
悪い間取りというのは、色々な種類がもちろんあるが、それらに共通することとして以下のようなものがあるだろう。
悪い間取り1 壁が多く各部屋が完全に分断され行き止まりの多い間取り
最も悪い間取りというと、壁が多く各部屋が完全に分断され行き止まりの多い間取りだろう。
しかし、多くの人は、これはよくある一般的な日本住宅じゃないか?と思われるかもしれないだろう。
確かに一般的に建売住宅などで販売しているような一般に販売されている住宅にはこのような住宅が多い。
それでは、壁が多く各部屋が完全に分断され行き止まりの多い間取りにはどのような問題があるのだろうか?
問題点を挙げると以下のようなものがあるだろう。
- 風通しが悪い
- 暗い
- 家事がしにくい
- 家族の気配が十分に感じられずコミュニケーションが停滞する
壁を極力少なくしてスペースを分け、家族のプライバシーをそれぞれ確保することはなかなか頭を使うことではあるが、もちろんできないことではないだろう。
悪い間取り2 廊下の占める面積が大きい間取り
また、もう1つ悪い間取りを挙げるとするとこの廊下の占める面積が大きいという間取りがあるだろう。
廊下はそもそも無駄なスペースであり家の各部屋は廊下の分だけ面積が狭くなってしまう。
また、視覚的にも狭く感じさせる原因ともなってしまう。
よい間取りとは?
上では悪い間取りについて考えてみたが、それらをふまえてよい間取りについて考えてみよう。
よい間取りとは以下のようなものがあるだろう。
よい間取り1 壁が少なく各部屋に複数の出入り口があり行き止まりを避け回遊できる間取り
よい間取りの1つめは、上の悪い間取りの1つめの反対の間取りで、壁が少なく各部屋に複数の出入り口があり行き止まりを避け回遊できる間取りだ。
このような間取りには以下のようなメリットがある。
- 回遊性を高められ部屋から部屋への移動が楽になる
- 風通しがよくなる
- 明るくなる
- 家事がしやすい(家事動線がよくなる)
- 家族の気配が感じられコミュニケーションが活性化する
特に、収納が多い部屋(例えば、キッチン横パントリーやウォークインクローゼット、洗面、寝室)や家族が集まるようなスペース(例えば、リビングやダイニング)などに複数の出入り口を設け回遊性を高める工夫をすることで、暮らしやすく、家族のコミュニケーションも高まる家の間取りとなるだろう。
よい間取り2 廊下の占める面積を極力少なくする
これも上の悪い間取り2の反対の間取りだ。間取りを考える際は、安易に廊下を作ってはいけない。
どうしても廊下を作る場合も、どうにかして廊下をなくせないか考えるべきだし、廊下や壁がなくとも各部屋のエリアの違いが明確化するようなインテリアの工夫をする必要があるだろう。
廊下は、リビング・ダイニングなどの部屋に極力取り込むなどの減らす工夫を行うことで、部屋の面積を大きくし、また視覚的にも家全体を大きく感じさせることができるだろう。
おしゃれな間取りの特徴
それでは、よい間取りに加えておしゃれに見えるような間取りについても少し考えてみよう。
大きなポイントとしては以下のような間取りがあるだろう。
おしゃれな間取り パブリックエリアとプライベートエリアに分けて考えられた間取り
おしゃれに見える間取りを行う上でのコツは、間取りをパブリックエリアとプライベートエリアに分けて考えることだ。
不必要なものや見せたくないものはプライベートエリアに全て収納し、見せてもおしゃれなものやかっこいいもののみパブリックエリアの見せる収納に収納する。
そうすることで、ものが少ないように見せられ、生活感を抑えられるし、おしゃれに見せることができるだろう。
パブリックエリアとプライベートエリアの例は以下のようなものだ。
パブリックエリア(見せるエリア・家族以外も進入するエリア)の例
- リビング
- ダイニング
- 庭
- トイレ
- 玄関
プライベートエリア(見せないエリア・家族だけのプライベートエリア)の例
- 寝室
- 子ども部屋
- パントリー収納
- ウォークインクローゼット
- 書斎
- 洗面
- 浴室
2階建て住宅の場合は、大体のところ1階部分の広い範囲がパブリックエリアに含まれることに気がつくだろうし、2階部分の部屋(1階部分の一部含む)はプライベートエリアに含まれることに気がつくだろう。
パブリックエリアとプライベートエリアを完全に分離してしまうことで、ある程度きれいにしていて欲しいエリア(パブリック)とある程度散らかっていてもいいエリア(プライベート)に分けられるので、生活しやすく、また人から見たおしゃれさというのも比較的容易に保つことができるところがエリア分けのメリットだ。
間取りを考えるのは1日でも、また素人でも可能だが・・・
間取りを考えるのは、素人でも1日で可能だが、プロであっても1日でよい間取りやおしゃれな間取りができる可能性は限りなく低いだろう。
できれば1ヵ月以上、場合によっては数ヶ月から半年、作っては頭の中でイメージ、本当に問題がないのか?暮らしやすいかなどについてプロと共に細かく検証する必要がある。
全てではないものの多くのハウスメーカーや工務店は短期間で間取りを決めてしまうため、これが失敗した間取りを作ってしまう原因にもなりかねない。
可能であれば、じっくり間取りの決定まで付き合ってくれるような建築家を数ある中から探すことが一番よいことだと思うところだ。
たとえ建築家に依頼するような場合でも、間取り決定までにかかる時間を実際に確認し、かかる時間が短すぎるハウスメーカー・工務店・建築家は避けることがポイントだ。