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おしゃれと言われる家の共通項をうまく取り入れる
おしゃれと言われるような家を建てるためには、それなりのお金が必要だと多くの人が思っていることだろう。
確かに、そのとおりの部分もある。
しかし、必ずそうかというとそうでもないとも言える。
逆に、お金があれば必ずおしゃれな建物が建つかというとそうでもないことも理解できるだろう。
おしゃれと言われるような家を建てるためには、お金以外の部分、例えばセンスが必要だ。
そのセンスについても、施主だけではなく建築に携わる建築家や大工など全体のセンスの高さも必要となる。
そういったことから、お金もある程度あり、センスも最大限に発揮された場合、おしゃれな家というものが完成するものだろうと思う。
しかし、仮にお金やセンスがなくてもおしゃれな家を建築することはできないのだろうか?
実はそんなこともない。
おしゃれと言われるような家にも、共通の工夫があり、その共通の工夫に従って、なるべく低コストになるように取り入れていくことで、お金やセンスはなくともおしゃれな家、またはそれに近い家が完成するからだ。
ここではオシャレと言われる家を低コストで建築するためにどのような工夫ができるかについて少し考えてみよう。
おしゃれと言われる家を低コストで建築するためにできる8つの工夫
工夫1 建具はできる限り既製品ではなく製作建具にする
おしゃれな家や高級感のある家とごく普通の家を見比べると、使われている建具にも大きな違いがあるということに気がつくだろう。
ごく普通の家の場合、家の中で使用されている多くの建具が既製品という場合が多い。
どうしても既製品の建具を使用すると、それぞれがデザイン上の個性を持つため、デザインの平仄がバラバラになってしまい、統一感が損なわれてしまう。
そこで、建具を建築家がまとめてデザインした製作建具にすることで家全体のデザインを統一することができ、おしゃれな印象や高級感を表現することができるだろう。
たかが建具で、一つ一つを見ると部分的な小さなものであるが、家はその部分的なものの集合体だ。
部分部分をみているだけでは分からないが、すべてが完成した際に大きな差となって現れることとなるだろう。
しかし、これには大きな問題も発生するだろう。
建具を既製品ではなく製作建具にする場合、コストが高くつくという問題だ。
このような場合、コストを下げる工夫としては、シナ合板などの安い木材を利用すれ方法などもあるだろう。
シナ合板などの安い木材を利用しての製作であれば比較的安く建具などを作成することもできる。
取っ手などの金具をシンプルにして控えめにして、建具を目立たないようにすることも、デザインとコストに両方に効くツボだ。
工夫2 キッチンや洗面台、浴室などはできる限り造作としてインテリアの統一感を持たせる
これについても建具と同様だ。
おしゃれな家を建てようとする場合、特にキッチンや洗面台などが既製品の場合、周りの内装がおしゃれになればなるほど、デザイン的に浮きやすくなってしまうだろう。
キッチンや浴室などはそれなりに高価で、造作などは難しいかもしれないが、TOTOのハーフバスで半分を造作したり、トーヨーキッチンのベースモデルなどのデザイン性の高いキッチンを選ぶことや、またコストを考慮した造作が得意な建築家に依頼することなど工夫することで実現が可能だろう。
工夫3 照明にこだわる
おしゃれな家と普通の家、高級な家と安っぽい家、その分かれ目の1つとして、照明があるだろう。
普通の家では、屋内の照明は大きな1つのシーリングライトを使用する場合が多い。
しかし、この大きなひとつの照明では、どんなに内装がおしゃれでも光がのっぺりとしてしまい、内装が台無しになってしまいかねない。
照明はそれぞれの場所に応じて、適切な場所に、適切な光量や色味を考えて設置することで室内のそれぞれの空間に立体感や表情が生まれるものだ。
実際には、大きなシーリングライト1つではなく、小さな照明を目的に合わせて複数使用することがただしい照明計画だ。
しっかりと照明計画を考える建築家があれば、シーリングライトを使用するような照明計画は行わないだろう。
間接照明やダウンライト等を部屋全体のベースライトとし、必要なところにスポットライト等で照明をあてていく手法をとるのが普通だ。
また、ダイニングテーブルの上はペンダントライトを使用することでデザイン面でおしゃれに見せたり、場所によっては、調光機能を持たせることで光量が必要な時に対応できるようにしておくような照明計画を行うだろう。
少し話がそれてしまうが、おしゃれな家を建築するために建築家を探す場合、その建築家の作品における照明計画に着目するのも1つの手だ。
普通は建物に注意がいってしまい、照明には目が向かないかもしれないが、本当に優れた建築かは、その作品における照明にも手を抜かないものである。
工夫4 幅木や廻り縁を目立たなくして内装に統一感を持たせる
幅木や廻り縁についても、最近のおしゃれな家では目立たせないようにすることが一般的だ。
もともとこれらのものは、家が傷つくのを防ぐためにつけられるものであるが、出来る限りそれを抑えることでいるデザインをシンプルにすることができ、家全体をおしゃれに見せられるだろう。
工夫5 ラグジュアリーなホテルのインテリアを参考にする
おしゃれな家を作りたい場合、住宅だけでなくホテルのインテリアなども参考にするとよいだろう。
高級感や美しさ、おしゃれさなどは参考になる場合が多いからだ。洗面や浴室、寝室やトイレなども参考になる場合も多い。
間接照明などを上手に活用しているホテルのインテリアもあり、そういったものもとても参考になるだろう。
工夫6 植栽を行うことで外からの印象を向上させる
おしゃれな家と普通の家、それらを見比べていると、おしゃれな家は植物の緑を上手に活用しているものだ。
多くのおしゃれな家においては、シンボルツリーがあるし、家のそこかしこに緑や花が上手に植えられていたり、適切に置かれていたりする。
植物の緑を上手に活用することは、家が建ったあとからでも工夫は可能だ。
自分でインターネットで購入すれば、安く手に入れることもできるのでお金をかけずゆっくりと仕上げていくのも良いだろう。
工夫7 内装のカラーで迷った時は白でまとめるようにする
おしゃれな家を建築したいから内装の色にこだわりたいと思う人も多いだろう。
しかし実際に内装の色を決める場面になってくると、どんな色を選んで良いか非常に難しくなってしまう場合も多い。
そのような場合は、内装のカラーを白で統一するのが良いだろう。白の場合であれば建材のバリエーションも豊富だ。
また、見た目が綺麗なわりにはコストも抑えられるのもメリットだ。
色々な色を使うことは、インテリアをコーディネートする上で高いレベルが求められるが、白を使用することで一定のレベルを保つことも可能だ。
工夫8 予算の関係で既製品などを使用する際は表面を建具で隠す
冒頭でも書いたが予算がないとおしゃれな家が建てられないかと言うとそうでもない。
予算などの関係で全てを造作等で作れなかった場合、IKEAなどの安い既製品などを使用しても十分におしゃれな家を建てることが可能だろう。
予算の関係でIKEAなどの安い既製品を使用することになった場合、問題は全体における統一感を損なうことがあることだ。
そのような場合は、表面だけの建具などを作り、表面を覆い隠してしまうことだ。
表面だけでも家全体の内装のデザインに合わせてしまえば、いい全体の統一感が損われることもないだろう。
おしゃれな家は建築家任せでは建たない?
おしゃれな家は、それを得意とする建築家に任せてしまえばいいと多くの場合思いがちだが、もちろんそれではだめだろう。特にコストを抑えて低コストで建てようと考えているような場合はなおさらの事だ。
建築家は施主の想いや希望を叶えてくれる存在にしか過ぎないからだ。建築家に依頼する前の時点で施主、家を建てる側の理想の姿が思い浮かべていないといけないのだ。
そのためには、施主も多くの勉強が必要だ。
ただでさえお金が必要な時期ではあるものの、建築の本などをたくさん買ってみて勉強してみたり、それらから自分の理想の家を探してみても後々役に立つだろう。そこから、コストを削減する知恵も浮かぶだろう。
筆者の場合も、自宅を新築する際には書籍費に20万円以上も費やしてしまい本当に買いすぎてしまったが、結果、建築家の努力も重なり、見た事もない家に、比較的割安な建築価格で住む事ができるようになった。
自分が書籍に費やしたお金の10倍以上のお金を建築で節約もできた。そのときに強く感じたのは、おしゃれな家を安く建てるには、施主も勉強が本当に必要だということだ。